« ■おねがいマイメロディ 第39話「お母さんに会えたらイイナ!」 | トップページ | ■はっぴぃセブン ~ざ・テレビまんが~ 第十三話「終わりよければすべて良し」 »

2005.12.26

■D.C.S.S.~ダ・カーポ セカンドシーズン #26「幸せの鐘」

 魔法って、やっぱりいらないのかなあ。
 一度も役に立つ使い方ってされてないもん。
 ラストのブーケは楽しかったけれど、どうしても必要ってわけじゃないよね。
 これじゃあ、和菓子を出してる純一の魔法が、一番お役に立つみたい。
 自分のカロリーとの等価交換だから、気持ちとかまで、ちゃんと相手に伝わりそうだし…。
 さくらにしても、本当に魔法で誰かを助けたことがあるのかな?。
 魔法の解除をすることが、実はみんなを幸せにするっていうのは、いくらなんでもネガティブみたいで。

 純一と音夢は、ほんの小さなきっかけ一つで、本当のことを思い出しかけるのですが、執拗に桜の魔法がそれを消そうとするの。
 悪夢だよー。
 これって、アイシアが望んだ魔法とは明らかに違ってるみたい…。

 桜を枯らせて、アイシアがきらきらになって何処かへ消えちゃうなんて、悪い冗談みたいです。
 折角さくらが居たんですもん、何とかしてあげられなかったのかなあ。
 純一だってそうだよー。
 元々帰る場所が無いアイシアのこと、さくらだって純一だって知ってるのに。
 まあ、新婚さんの純一と音夢の所に帰って来るのは、迷惑以外のなにものでも無いので、さくらの所に…。
 って、さくらはまた出て行っちゃうのー?。

 音夢も、とうとう最後まで事情を知らされないままなのでした。
 こういう場合、当事者二人が、純一と音夢が、魔法のこともアイシアのことも何とかしてあげて欲しいのですけど…。
 何となく、さくらにお任せになっちゃいました。
 さくらも、折角帰って来たのに、あんまりお役には立たなかったみたい。
 アイシアのこと、昔の自分を見ているみたいで、凄く気になったと思うのに。
 どうしてあんなに厳しかったのかな…?。

 でも、一番お気の毒だったのは、やっぱりことりなんです。
 純一との関わりの中で、ことりと音夢はいつも入れ換わりで、見事な位に二人の接点は無いんだもん。
 直接対決とまでは言わないですけど、二人、何かあっても良かったよね。
 そういうの、音夢が気付かないわけはないし。
 ちょっとだけ、音夢を特別扱いし過ぎだったかな?。

 私は、純一と音夢がくっ付いてくれて、良かったですけど。
 結婚式まで挙げちゃったのには、びっくり。
 いきなりそこまで進んじゃったもん。
 その間に入るべきエピソードが省略されちゃったよう。
 デートは?、プロポーズは?。
 前作も含めて、二人、愛し合ってたのは分かります、分かりますけど…、やだやだ、私はもっと仲良くしてる二人が見たかったんだい!(^^;。
 ペアウォッチも、何処かへ行っちゃったのかなあ…。

 なんて文句を書きつつ、私は結構この作品、気に入ってたりします。
 「それー!」ってブーケを投げる音夢、可愛いかったし♪。
 妙な暗さが無ければ、もっと良かったのになあ。
 そしたら、文句なんか書かなかったと思うもん。

« ■おねがいマイメロディ 第39話「お母さんに会えたらイイナ!」 | トップページ | ■はっぴぃセブン ~ざ・テレビまんが~ 第十三話「終わりよければすべて良し」 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

D.C.S.S.~ダ・カーポ セカンドシーズン」カテゴリの記事

コメント

軟骨さん☆

 早速見て来ましたよー。
 以前、軟骨さんにご紹介頂いた通りのストーリーでしたが、実際に絵がいくつか入ると、なかなかに衝撃的でした。
 Amazonへのリンクを辿ってみると、私の予想よりずっとお安い価格みたいで、これなら私にも買えそうです。
 このストーリーを見ると、D.C.S.S.ももっと突き詰めた描き方をして欲しかった気にもなるのですが、あんまりやり過ぎるとファンタジーじゃ無くなっちゃいますし、難しい所ですねえ。

劇画オバQを紹介しているサイトを見っけたので、アドレス記しておきます。(少しはコマ絵も見られますので)

http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/text/q/

軟骨さん☆

 見ているアニメの本数が多くなって来ると、ストーリーの見かけの部分だけをなぞってしまって、それなのにそれが全てのような気持ちにもなっちゃいますから、きちんと作品の本質と向き合うきっかけを下さった軟骨さんには、感謝感謝、なのです。
 劇画オバQや水夏へと、私が思いもしなかった方面への拡がりも出来ました。
 他の方のコメントと言えば、CCSFさんやえむぜろ?さんの所で、軟骨さんが書かれたコメントに触れておられますねー。
 やっぱり、きちんとD.C.S.S.を見ている方は見ているわけで。
 そういった意味でも、そこに触れることの出来た私は、とてもラッキーでした。

 好みと評価ということになると、私はやっぱりキャラクターに引きずられてしまうので、好みをどの程度評価に加味するかで、KanonやAIRの感想は非常に危ういバランスになったりもして、そこを誰かに突っ込まれたりすると、それはとても困ったりもするのですが(^^;。

 D.C.S.S.において、確実に時間を進めた上で、新キャラクターを含めたみんなの中にアイシアを放り込み、馴染んで行く過程で出て来た全てのこと、そんなの出来ない絶対、そんなの駄目だよきっと、という部分、そんなの無理っていうのを魔法で何とか出来るのかなって思わせつつ、魔法は綺麗なだけの想い出をくれたりはしないこと、その次にあるエピローグのこと、そんなことを考えつつ…。

『D.C.』は見かけよりも遥かに奥が深い作品なので、不当な評価に対する異議という動機を抜きにしても、語り出すとキリがないのです。
 なので、最終回を終えてもいるし誰かがコメントしてこなければ、これ以上管理人さんを煩わせたくもないので、この辺で切り上げなければいけません。

熱烈なファンという訳でもありません。
ギャルゲーアニメの愛好度から言えば『Kanon』『W-ウィッシュ』『下級生』『トゥハート』『ハッピー☆レッスン』『真月譚月姫』の方が上にあるし、このままいけば『キャンパス2~虹色のスケッチ~』も上になると思います。

それが“評価”という話になると、これらの作品と肩をならべるか、一部にはそれ以上になってしまうのですね。

単に自分が見たいものを見るだけなので義務感で見てはいないし、見ているものはどれも好みの範囲内にある筈ですが、それでも「客観評価」と「好み」の混同を警戒していると、こういう形になる作品もそれなりにあります。

前作『D.C.』はあまり気に入ってなくて理由はまあ、管理人さんのと同じようなものですが、『あなどれない作品』という印象は強く残っているのです。
 『D.C.S.S.』は前作の瑞々しさこそ無いものの、前作より全体的によくまとまっているので、やや上昇といった所ですか。

管理人さんの疑問にも答えたいのですが、また長くなるので今回は控えます。

『D.C.』の前作である『水夏』をプレイしてみれば、『D.C.』のゲーム版をプレイするよりよっぽど参考になると思いますよ。(プレイするとしたら攻略サイトだけ見て、レビューなどは先に見ない方がいいと思います)

軟骨さん☆

 軟骨さんのご意見は、すっごく参考になりました。
 シリーズを通しての見方を変えなくちゃいけないかな?、なんて思ったりしています。
 ラブコメから離れたときの、それぞれのキャラクターの立ち位置っていうのは、しっかり考えておくべきでしたね。

 正直、前作の展開は、もう殆ど忘れかけていました。
 音夢が桜の花びらを吐いたりするのも、それは衝撃だった筈なのですが、むしろそれ故に記憶に残っていなくって。
 純一がアイシアと直接向き合うことが無かったのも、ちょっとした不満だったりもしましたし。
 音夢は完全に蚊帳の外でしたし、ね。
 そういった部分を、全てさくらが担っていたのも良し悪しかしら。

 この作品が持っている妙な暗さっていうのは、私の好みからはちょっと外れたりもするので、評価するとしたら限りなく普通ってことになりそうです。
 叩くという程のことは無いかなあ…。
 魔法使いのポジションをはっきりとは描いていないので、どうにもモヤモヤしたものは残りますけれど。

 音夢ちゃんだから…、の意味は確かにそうですよね。
 やっぱり、長い付き合いの二人の間に入って行くのは難しくって。
 だから、アイシアはみんなのスタートラインを一緒にしようとしたわけですが、決してそうはならなかったわけで。

 そういえば、ラストでアルバムをめくっていた純一と音夢、もっと年月が流れた後のことかと思っていたら、まだまだ若いままだったので、びっくりしちゃいました。
 でも、全てはもう思い出ってことなんですよね…。

 今、自分の下のコメントを読み返して見ましたが、1行目から26行目までは先のコメントのくり返しみたいなので、目を通すぐらいにしといて下さい。

 むしろ、追記の方が要点かも。

長文に付き合って頂いて有難うございます。今回は短く出来るかな?

作品を楽しいものにするために魔法使いを登場させるのであれば、アイシアはもう少し魔女っ子っぽい格好であったと思います。
 それが前作のさくらといい、魔法がらみのキャラが出入りする時は必ず『黒マント』というスタイルなのを見て 「これは何かあるな」と思ったのがそもそもの僕の見方でした。

『D.C.』はサーカスのメジャー路線による戦略商品でキャラクター色を強くしてはいますが、元来がシナリオ性の強いメーカーなのでラブコメに割り切れないうらみはあります。
 アニメ『D.C.S.S.』は作品的にはスタッフの狙いを外していません。ファンの希望的観測とは全く違うことをスタッフは考えていたのです。

にしても、メインヒロインである音夢とのハッピーエンドは定石通りだし、大きな破綻やミスがある訳でもなく、(叩いている人はシナリオや構成がどうとかそれっぽい事を言っていますが)ことりの態度にしても、彼女の性格と立場からすれば自然な反応だし、さくらがアイシアに対して厳しいのも、前作であれだけ苦労して桜の木を枯らせたのに、それを復活させようとするのだから「何すんねん?!」というのは当然だと思いますが?下手をすればまた音夢が口から桜の花びらを吐くかもしれないし、それは音夢の命の危険を意味するのですから。

つまり、これといって不自然な点がある訳でもないのに あれだけ叩かれるという事は、表面に出ていないものに対して拒否反応がある訳で、定石通りの予定調和に終わり意外性がない所に、『現実』の重さを今さらながらに突きつけられたような思いがするからではないか?…それは見方を変えて見れば、作品として高く評価できるものなのに…。

と、いう気がしたので『劇画オバQ』が思い浮かび紹介してみたわけです。

ちなみに『劇画オバQ』は『藤子不二雄異色短編集』とか『SF短編集』とかネーミングされたもののどれかに収録されているはずです。

うーん、やっぱり長くなった…。

追記。 「音夢ちゃんだからこそ、みんな納得した」の理由。

確か本編にあった筈です。
 アイシアがふたりの間に割って入ろうとしても上手くいかない。潤一が「アレは~」と言うと音夢が「はい、兄さん」と必要なものを渡す。
 「音夢は、潤一のことを何よりも一番に考えている」…アイシア自身が痛感した事を吐露しています。
 アイシアが「みんなが平等に幸せを」という思いに固執した背景にアイシアの潤一への想いがあることは多くの人が読み取っていますが、アイシアが痛感した事実から、「魔法を使わない限り音夢には勝てない…」という無意識があったと考えるのは穿ち過ぎでしょうか?

さくらは、幼い頃の思い出から「それは兄妹でいつも一緒にいるから」と反発していたのですが、そういう思い出がない他の人達は、一緒にいても、誰もが音夢と潤一の様になる訳ではない事を知っていたのだと思います。
 ことりは人の心を読む力で、頼子は二人の身近に居て、それを目の前で見ることで、いっそうにそれを感じたかもしれません。

桜の魔法の暴走が潤一と音夢を苦しめ、特に音夢の身を危険にさらす事で、潤一が一番大切にしているものを奪ってしまう。
 音夢がいなくならなければ自分は一番になれない。それなら、魔法は何の為に…?

 魔法を使えないみんなが知っている事を、さくらは遅ればせながらに痛感したのだと思います。

軟骨さん☆

 読み応えのあるコメントを、ありがとうございます。
 この作品とお付き合いする上でのそういう見方って、参考になりました。

 大人になるということは、現実を受け入れるということだったり、現実が追い付いて来るということだったり、過去との決別だったりするわけで、身近な例では自由な時間が無くなってアニメを見たり感想書いたりが出来なくなること(←?)、ですよね。
 それは自分で生きて行った上で自然にそうなるわけですが、魔法が関わって来ると、途端に事情が変わって来ちゃうわけで…。
 例え一つの終わりに向かって進むだけであっても、自分で決めて自分で行動したってことが重要なのですし。
 魔法使いであることの意味、自分が幸せになる為の方法、そういったものを作品内ではっきり示さなかったことは、この作品の世界って、実はアイシアのものですらないんでしょうね。

 全ては純一と音夢の為の世界なんですもん。
 アイシアを受け入れたことで、想定外の事態が起こったりもしたわけですが、結局、自分の居場所は無い筈のアイシアが再び帰って来たりするわけで。
 アイシアの存在っていうのは、未来を遮っている壁というか、他の全てのキャラクターの別の心が表面化したもの、みたいな感じでしょうか。
 それは、かなり気の毒な役回りではあるのですけど。

 新キャラの描き方が少ないこと、私も最初はびっくりしましたが、それほど気にはなりませんでした。
 逆に、面白かったかも。
 確かに、前作とは違った描き方をしていましたね。
 前作から継続して出ている人達に対しては、優しさが足り無かった部分はあると思いますけど。
 さくらが言っていた、音夢だったからみんな納得した、という台詞も、理由は示してくれませんでしたし。
 純一との付き合いが一番長いことと、本人の気持ちということでいいのかなあ。
 にしても、音夢って、人気無いんですね…。

 SHUFFLE!に関しては、ラスト間近になって、突然亜沙先輩ルートになった違和感が一番大きいのですが、最初からちゃんと見直してみればそれなりの伏線があったかもしれないので、それはちょっと保留ということで…。
 D.C.S.S.でも、ことりに描き方にはそういう所があったかな?。
 どちらも、シナリオの気持ち良さっていうのが決定的に不足している上、説明不足で中途半端な部分には文句を言いたくも…。
 でも、そんな中からも何らかの楽しみを見出しつつ、最後までお付き合い出来る作品だったとは思います。

 劇画オバQも、探してみますね。
 軟骨さんのご説明で、作品の全てが分かったような気持ちにもなっているのですが(^^;。

今回、少し長文にて失礼することになります。

『劇画オバQ』という漫画をご存知でしょうか?
作者は藤子不二雄本人。タイトル通り劇画調の絵柄になっています。

 大人になって結婚して今はサラリーマンを勤めている正ちゃんを、オバケの国へ帰っていたQちゃんが ある日ひょっこり訪ねてきます。
 今は奥さんとマンション暮らしの正ちゃんは再会を喜び、Qちゃんを迎え入れますが、毎食ゴハン20杯をたべるQちゃんを 顔には出さないものの奥さんは迷惑がっています。
 Qちゃんの歓迎会が飲み屋で催され、ゴジラ、木佐くん、よっちゃん、ハカセくんという懐かしい顔ぶれが集まります。昔話に花が咲いて、正ちゃんを背中に乗せたQちゃんが空を飛んで無人島を発見し、Qちゃん島と名づけて、大人に煩わされない自分たちだけの島だと言ってみんなで踊りまわった話で盛り上がります。
 そんな中でハカセくんが魅力はあるがリスクも大きい事業への参加をみんなに呼びかけ、シラフなら応じられないような話に酒の酔いも手伝って、みんな賛同し大いに盛り上がります。
 「女房がナンダ~!会社がナンダ~!」と酔っ払って帰宅した正ちゃんは、翌朝Qちゃんに促されて事業参入を奥さんに話そうとしますが、子どもができた事を奥さんから告げられると大喜び。事業の話など完全に忘れて大ハリキリで出勤する正ちゃんを見たQちゃんは、「そうか…。正ちゃんは大人になったんだ…」とつぶやいて一人オバケの国へ帰っていきます。Qちゃん島の旗を残して。

この漫画ほど残酷ではないし、ハッピーエンドのオブラートに包まれてはいますが、『ダ・カーポ.S.S』も同じような構成とテーマの作品に見受けられます。正ちゃんは潤一。奥さんが音夢。Qちゃんがアイシアといった所でしょうか。

前作『D.C.~ダ・カーポ~』は一年中桜が咲き、魔法に包まれて、女の子達は横一線に配置され それぞれの個性が描写される中、潤一と音夢の関係が成立しつつある過程のドキドキが描かれていました。

しかし『S.S.』では桜の木はとうに枯れ、魔法は失われ、潤一と音夢はすでに出来上がっているので、祭りの準備の時のようなドキドキはもうありません。他の女の子達も品評会のように個性を発揮する立場には既になく、美春はロボットではないし、ことりはテレパシーを持たず、猫の化身の少女は現れず、萌先輩が卒業しているので、水越姉妹が屋上で鍋をつつく風景はもう見られません。

つまり、夢と未知数と不可思議が溢れ、楽しかった学園生活はなかば過ぎ去り、それぞれが少しだけ大人になって、覚醒し始めた時間の中を生きている。そんな中にその空気を読めないQちゃん…でなくて、幼い魔法信者が現れたらどうなるのか? そんな着想から『D.C. S.S』は始まっているのだと思います。

前作は美春とさくらの騒がしいアプローチで始まりましたが、今回はずっとおとなしいスタートで、シリーズを通してテンポもゆったり、音楽もアコースティカルな調子で全体に地味めです。これは何を意味するのでしょうか?


大人になることはどうして一抹の寂しさが伴うのか?なぜ楽しかった頃を捨ててまでして先へ進もうとするのか? 死が待ち構えているだけなのに…。
この作品、ラブコメの体裁をとり ハッピーエンドで締めていますが、作品世界の根底には『鬱』があります。

アイシアとさくらは対立的な様子を見せるも、さくらの過去がアイシアであり結局和解する点からしても二人は同じ立場にある存在でしょう。

それが魔法で人を幸せにしようとする、それが駄目で、魔法を解くことで止まった時間が動き出し、人はまた自分で幸せを求めて生きていく訳なのですが、それが青春と言われた季節の、その一瞬が永遠にも等しく思えた頃の輝きを二度と取り戻せないものだとしたら、アイシアとさくらの『黒』マントは、『幸福』という名を持った『死の予言者』を象徴するものなのかもしれません。
 「誓い」の回のラストで潤一と音夢がお互いを決して忘れないことを誓いながらも、その間流れていたBGMがブツッと切れて暗転してしまいますが、あれはあそこではアイシアの魔法によって引き起こされたものですが、魔法が解けて二人が幸福な生活を送っていったとしても、いずれはさらに決定的にそうなることを暗示しています。

だからその誓いは無意味だと言うのではなくて、そんな中で生きているから自分の心を偽れない。自分の心を偽れないからこそ、楽しく輝かしかった季節…それはアイシアが求めた世界とのつながりを持っていたのですが…をも後にして、お互いが必要と思う相手と共に生きていこうとするのでしょう。

また、今回はあくまでアイシア、潤一、音夢、さくらといった作品の根幹をなすキャラクターたちを主体に話が進められ、他のキャラは脇役でしかありません。更に突き詰めればほとんどアイシアの視点だけの、『アイシアとまわりの世界』とでも言うべき『物語り』または『お話』なので、インタラクティブなゲームのように、並列的に揃った女の子にそれぞれ見せ場を設ける必要は無いのだと思います。
新キャラの子も含めて、『まわりの世界』を構成する要素として設計されていたのでしょうから。

この作品は味わうべきものであって、結婚式によるエンディングも涙うるうるに感動するものではないにせよ、全ての事に肯定的な姿勢を必要とするものだと思われます。

『SHUFFLE!』と同様か、もしくはそれ以上に巷で最終回が叩かれているようですが、不平の内訳を要約すると、他のヒロイン達が生かされてないという事と、内容が薄いという点に集中していますが、いずれも上記の視点から解決される事。

つまりは望んだような作品ではなかったという点に由来する不満なので、前作の延長、というより継続を望んでいた人達は『劇画オバQ』のような人生の影を、潜在的にも感じる事に抵抗感はあったでしょう。

僕はどちらの作品に対しても、全くのニュートラルで浮動票の人間ですが、両作品の評価の点では100%明暗を分けています。

『SHUFFLE!』の場合キャラクター派閥以前に、いったんは楓という、シアやネリネと共にメイン格のキャラを破壊的なまでに演出する方針を示しながら、それを引っこめるという二重ジャッジのような展開は、客観的に見ても明らかに首をかしげざるをえない問題。シナリオの不安定、全体的なまとまりの無さ等も同様です。

『D.C.S.S.』の場合、ファンにおもねる様なゲーム的仕様の、またはキャラクターオンリーの作品にしなかった事が批判の最大の要因でしょうが、僕ははそれぞれの作品には、作品ごとの見方というものが在るものだと考えます。


追記。 機会があれば、『劇画オバQ』を読んでみる事をお勧めします。

Raspberryにょさん☆

 逆に音夢の方は、ことりの気持ち、全然気が付かないままだったみたい…。
 そういう素振りが全く無かったのが、怖いというか。
 アイシアじゃなくとも、ことりには「そのままでいいの…?」っていう気持ちになりますし、勝手に島から離れてしまった音夢と立場が対等じゃないのは、いくらなんでもあんまりかも。
 ことり、優しいから。
 みっくんとともちゃんが言ってたことは正しいよー。

音夢との間柄を知っていた故のもどかしさ、みたいのも
ことりは演じてたので「くやしぃ~~~」とか観ている
ほうは思っちゃいました。
そういえばことりにはお付きの供の者が2人いましたね・・
今後のことりが変な方向にいかなきゃいいのだけれど^^;

Raspberryにょさん☆

 アイシアの魔法がちゃんと作動して、みんなが幸せになって、その上で純一が音夢を選んだとしたなら、もっと前向きな展開になったと思うのですけど…。
 あそこまで追い込まなくちゃ、キャラクターの本質は描けないのかしらん。
 アイシアだって、怖くて二度と魔法を使えなくなりそうで。
 厳しいですね。

 二人の結婚、赤ちゃんが出来たわけでも無さそうですし、音夢に押し切られちゃったのかなあ。
 私の場合、前作から純一のお相手は音夢って擦り込まれてしまっているので、そこはまあ良かったんですけど。
 音夢の尻に敷かれてる純一を見るのって、結構楽しいんですもん(^^;。

 ことりはずっとイタイケだったです。
 危険な位に安全な純一のことでやきもきしてる姿って、凄く可愛かったし。
 最初の頃は純一とことりのストーリーみたいだったのに、音夢が帰って来たらみんなひっくり反されちゃうなんて、反則ですよねえ…。

最後の3話につめこみすぎたために十分にシナリオを練り込まれることなく脚本ができちゃった、って感じかなぁ・・・
アイシアのマジカル大作戦が失敗に終わったのも何故アイシアの魔法が完全に動作しなかったのかも明示できないままにストーリが終了。
結婚・・・ほんとはやかったですねw 学生結婚?だったのかな~。その意味では裏山に椎の木です・・・がことり派としては音夢のような暴力女のどこがいいんだ?とか思いつつ「純一って女の尻にしかれる男だったのね」と痛感したといいますか「もっと早い段階ではっきりしてよ~」と^^;
おかげで、いつもならDVD予約したりしてるのですが今回はTV録画で十分~となってしまいました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■D.C.S.S.~ダ・カーポ セカンドシーズン #26「幸せの鐘」:

» 感想:D.C.S.S.〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜 最終話 「幸せの鐘」 [ダメオタRの徒然雑記]
人の数だけ幸せがあると少女は気付く。夢を叶えてその場に居続ける事も、夢を諦めて新たな道へ進む選択肢を得ることも、それもまた一つの幸せの形。人が生きている限り、その選択肢はきっと無くならない。自分の進む道を選べる事──それがきっと、一番幸せだと思うから── [続きを読む]

» ダ・カーポ セカンド シーズン 正義は勝つ?!アイシアの野望が砕かれるとき [ゼロから]
遂に最終回。この結果では、D.C.F.S.の出番は無いですね。残念。ばっさり。 [続きを読む]

» D.C.S.S.ダ・カーポ・セカンドシーズン第26話・「幸せの鐘」を見て&総括 [サトシアキラの湾岸爆走日記(自転車でね♪)改]
 今回は、アイシアが全ての清算をするお話。  …まあ、ね?    今更、「突っ込みようがない!」なんて蒸し返す必要はないんですよ。それはもう20話台に入った頃から、半ば諦めてるから。  でもね。    嫌な予感がしやがるぜ…    こりゃいよいよ本物かな…    覚悟を決めにゃならんようだ…    ぐべらっ!!やっぱり安易な落とし方しやがった!!  こんな終わり方で納得できるかああぁ�... [続きを読む]

» [D.C.S.S]第26話 幸せの鐘 [もえろぐ]
「D.C.S.S. ~ダ・カーポ セカンドシーズン~」第26話です。 とうとう最終回でありますよ・・ みんなが幸せになれたはずの世界。 でも部屋では涙を流す音夢ちゃん。 その姿を見たアイシアちゃんは家から飛び出しますが そこで純一と遭遇します。 けれども純一はそのままダウン・・ 翌日の学校では やっぱりちょっと様子が違います。 純一も音夢ちゃんも、他のみんなも・・ 曇天という状況のせいからか よけいに重苦しい雰囲気で・・ そして音夢ちゃんは純一へ一通の手紙を手渡し... [続きを読む]

» DCSS #26 幸せの鐘 [anges's gao!!]
降りしきる雨。 流れ落ちる雫。 二人の想いが、初音島を濡らしていく・・・。 [続きを読む]

» D.C.S.S. 〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜 第26話 [パズライズ日記]
最終回の今回はアイシアが自分のしてしまったことに気付いて魔法を止めるお話でした。 苦しんでいる音夢と純一を見て、こんなことは自分の望んだことではないと思うアイシア。 学校では、杉並が純一に、ことりが音夢に話をしますが、純一と音夢の想いが近付くたびに魔法が....... [続きを読む]

» [終]D.C.S.S. #26「幸せの鐘」感想 [endlessspace-無限空間]
部屋を覗くと泣いている音夢の姿が。 それを見てアイシアは心を痛める。 家を飛び出したアイシアは純一に会うがどうも様子がおかしい そして突然倒れだす 音夢は純一に過去に書き綴っていた手紙を手渡す これではまるで恋人同士ではないか、と。 記憶を取り戻しつつあるが 魔法の木の力により倒れる音夢 これ最後のアイキャッチ・・・いいね(・∀・) ようやく自分の過ちに気づいたアイシアは魔法の木を枯らせようとします しかし予想以上に魔法の力は強大で手に... [続きを読む]

» D.C.S.S. 最終話「幸せの鐘」 [我流黙示録β]
別にいいんですよ。こんな終わり方でも。わかりきってたことですし 俺が言いたいのはただ一つ・・・ [続きを読む]

» D.C.S.S. 〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜 最終話「幸せの鐘」感想 [じゃすてぃすのハピ☆マテだいあり〜]
では感想です。 泣き崩れる音夢。 苦悩する純一。 (つД`) そのせいもあってか他の人ともぎくしゃくな感じ・・・ 暗いムードが漂う・・・・ 音夢は純一のことを想うとするも魔法に [続きを読む]

» D.C.S.S.#26『幸せの鐘』最終回感想 [DAIの気楽な萌え日記]
あはは・・・←乾いた笑い>挨拶今日は昨日のD.C.S.S.の感想です。いや批判か?はっきり言うとあまり書く事はありません。というか書く気にもなれないほどこのアニメはダメでした。でも何とか気力を振り絞って書きます。あ〜もう毎回の事ですがアイシアファンが見る....... [続きを読む]

« ■おねがいマイメロディ 第39話「お母さんに会えたらイイナ!」 | トップページ | ■はっぴぃセブン ~ざ・テレビまんが~ 第十三話「終わりよければすべて良し」 »

このブログについてっ

フェリー乗船記

無料ブログはココログ

カテゴリー